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ダリが描いた孔雀の尾羽から血が・・・そのヒントは神話にありました。

4月27日開幕する展覧会「ヒストリア〜神話と物語の世界〜」では、神話や物語などのテーマを扱った当館コレクションをご紹介します。
20世紀を代表するスペイン出身の画家サルバドール・ダリ(1904−1989)が描く美しくも生々しい世界は必見です!

今回はダリも描いた孔雀にまつわる神話をご紹介します。

なぜ、孔雀の尾羽は目玉のような形なのでしょう?
オスの孔雀がメスを誘うために進化した!など諸説ありますが、神話の世界においては、神々の愛憎劇の中にその成り立ちの秘密が隠されています。

※孔雀のイメージイラスト

ギリシア神話の最高神ゼウスにはイオという愛人がいました。
ゼウスは嫉妬深い妻ヘラの目を欺くため、なんと愛人を白い牛に変えてしまいます。しかし、それが甘かった!
牛が愛人に変身していることに気づいたヘラは、ゼウスに懇願します。
「牛を譲って欲しい・・・」
ゼウスは泣く泣くヘラにその牛を譲ったのでした。

牛(愛人のイオ)を取り戻したいゼウスでしたが、ヘラの忠臣である百目の怪物アルゴスによって四六時中見張られ、取り戻せずにいました。
そこでゼウスは伝令の神ヘルメスにアルゴス退治を依頼します。
見事、ヘルメスはアルゴスを眠らせ、首を切り落とすことに成功!
しかし、牛(愛人のイオ)は解放されたものの、妻のヘラによって送られたあぶに追われ、とうとう、ゼウスの手に戻ることはありませんでした・・・

一方、アルゴスという忠臣を失った妻のヘラはその慈悲から、なんとアルゴスの百目を飼っていた孔雀の尾羽にちくちく縫いつけるのでした・・・
そう、これが神話における孔雀の目玉の成り立ちです。
孔雀の尾羽にある目玉のような模様は、神話の中では "のような" ではなく、まさしく"目玉そのもの"なのでした。

ヘラが目玉を縫いつけるシーンを想像するとなんとも血生ぐさいですよね。しかし、知れば知るほどクセになる不思議な中毒性を神話から感じませんか?

この神話の一場面を芸術家サルバドール・ダリも作品の中に描いています。ダリはどのように表現したのか?ぜひ展覧会でご覧ください。
「ヒストリア〜神話と物語の世界〜」は4月27日(水)から諸橋近代美術館で開催します。

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