見出し画像

10月16日(土)Zoom無料講演会・モロビ大学を開催します!コロナ禍におけるアートと社会の関係性などもお話しします<事前予約制>

諸橋近代美術館では、『モろ美大學』の名のもと、専門家をお招きしてアートをより深く知るための講座を実施しています。昨年に引き続き、感染症対策の一環として、Zoomを使ったオンラインでの開催です。

今回は開催中の展覧会「ステッピング・アウト〜日常の足跡〜」の記念講座です。ダリが活躍した20世紀におけるシュルレアリスムと社会の関係性や、また、コロナ禍の現代社会においてアートはどんな役割・力を持つのかなどもお話しします。

■ 参加費   :無料
■ 対象    :日本国内どこからでもオンラインで参加OK
■ 申込方法  :本イベントページ記載の専用URLからご応募
        →https://dali.jp/event-page/7881
■ 申込受付期間:〜10月16日(土)15:00まで※定員に達し次第受付終了
■ 講師:神野真吾
千葉大学教育学部 准教授/角川武蔵野ミュージアム ボードメンバー。
社会とアートの関係についての研究や実践に取り組む、美術教育の研究者。山梨県立美術館学芸員として11年間勤務した後、千葉大学に准教授として勤務。現在は角川武蔵野ミュージアムにおけるアート部門のアドバイザリーボードも務める。

時代や表現方法によって、アートと社会の関係性は変化します。では現代においてアートと社会はどう関係しているのか?「虚と実」をテーマに見てみましょう!

《神野真吾 氏/講師メッセージ》
美術は基本的に「虚」を扱ってきたメディアだと言えるかもしれません。
素朴な願望、宗教、ユートピア、ディストピア、心象風景にしろ、現実の世界を描いたものも「写し」としては虚=illusionということになるでしょう。
そうした「虚」のアートを20世紀にふさわしい形で、古典的な技法を用いつつ追求したのがサルバドール・ダリです。それはまた、実の世界に価値を置き、科学的な客観的で正しい認識を求めた近代への反動としてのシュルレアリスムのあり方そのものとも言えます。
しかし現代は、リアルな世界を最も重要なものとするが故に、「フェイク」がリアルを担保としつつはびこる事態が多発し、それは「複製技術」がリアルを創造(捏造)することを高度に、容易に、可能としました。
こうした時代状況では、古典的な技術を用い「虚と実」の間で表現行為を行ったダリの作品は、現代の若い世代にとっては驚くべき対象ではなくなっているのかもしれません。
一方で、多様化する現代アートを「虚と実」ということで考えると、社会を指向するアートが影響力を持つようになる中で、「実」に重きが置かれ、表現行為が「実」に影響を与えようとすると、その行為が政治化するということにもつながりうるという課題も持っています。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!